メサラジン(5-アミノサリチル酸:5-ASA) の顆粒製剤ペンタサ顆粒94%が発売になって、
潰瘍性大腸炎の寛解維持では1日1回1包でもよいので楽ですよ
というような話をMRさんがしていた。
ペンタサが2012年の8月に寛解維持の場合に1日1回の用法の
承認を受けていることも知らな かったので、びっくり。
1日1回の方が飲みやすそうだけれど、
効果的にも変わらないのかも確認したかったので、 少しお勉強してみる。
ちなみに、メサラジンは、
INN(国際一般名)とBAN(一般名)では、 mesalazine
USAN(アメリカ一般名)では、mesalamine だそうだ。
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P 16歳以上の寛解期の潰瘍性大腸炎の患者
I メサラジンを1日1回
I メサラジンを1日1回
C メサラジンを1日複数回
O 憎悪率
<検索>
対 象:6ヶ月以上のRCT
対 象:6ヶ月以上のRCT
検 索:PubMed, EMBASE, CENTRAL,
言 語:制限無し。外国語の試験は翻訳した
その他:2002年~2011年の学会抄録を手検索
未発表の試験を探すために専門家に連絡を取った
<文献検索、試験選択>
2名が独立して行い、 不一致は第三者を加えて合意を形成して解決した
<データ抽出>
2名が独立して実施
<risk of bias>
コクランのrisk of bias ツールを使用
2名が独立して行い、 不一致は第三者を加えて合意を形成して解決した
出版バイアスは、funnelプロットとEggerの検定
<結果>
再発の予防 7試験2745名
RR 0.94 (0.82 to 1.08, I 2=33%)
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対象になっている7試験の内訳は、
アサコール1日1回 対 複数回 3試験
ペンタサ 1日1回 対 1日2回 1試験
MMX1日1回 対 アサコール1日2回 1試験
MMX1日1回 対 1日2回 1試験
Salofalk1日1回 対 1日3回 1試験
<製剤特徴のおさらい>
ペンタサ・・・エチルセルロースコーティングによる放出制御
アサコール・・・ph依存性のフィルムコーティング
MMX・・・Multi Matrix System
水溶性のマトリックスに両親媒性のマトリックス顆粒が分散
Salofalk・・・ph依存性のフィルムコーティング+ マトリックスコア
MMXとSaloflalkは1日1回製剤。
MMXは、持田がライセンスを取得して開発。 2015年10月に製造販売承認申請。
Salofalkは味の素がライセンス取得していたが、 開発中止だそう。
製剤の違いがどの程度影響があるかはよく分からない。
アサコールも1日3回飲むのが大変だという人は多いので、
寛解維持に回数減らせるとよいのにね。