2015年11月19日木曜日

ヘモ(痔)の外用剤はどう違う?その2

ヘモの外用剤の違いの続き。


今度は坐剤の違い。










医療用ではヘモの軟膏と坐剤で、
同じ商品名でも1回量あたりの成分の含量が異なるのは知らなかった。
軟膏より1回量あたりの成分量が少ないのは、軟膏は容器に少し残るからか?


あと、ボラザG坐剤は局所麻酔含むから裂肛に適応あるかと思ってたんだけど、
内痔核の適応しかなかったのね。。
しかし、内痔核って一般的には痛くないから局所麻酔って必要なのかな??



次は、OTC


















安定のプレドニゾロンのボラギノールとヒドロコルチゾンのブリザエースの2系統がメイン。

ジーフォーとかザッスルは、
軟膏だとプレドニゾロンだけど、坐剤ではヒドロコルチゾンでステロイドが変わっている。
OTCだと1回量あたりの値段は、坐剤のほうがお得?



坐剤と軟膏でどちらの方が効果がある等の試験もなさそうなので、
使い心地で選べば良いのかなぁ。



Drからの依頼もあって、
ヘモの方に指導する際に注意しているのは下記かなぁ。

<共通>
・1日2回の場合は、時間は多少ずれても良いので1日2回使うことを重視して欲しい
・冷えたり、同じ姿勢が続くと血行悪くなりうっ血して状態が悪化しやすいので工夫を。
 →腹巻、毛糸のパンツ、入浴、円座、適宜休憩をおすすめ
・手術しない限りは急激な改善はしないので、気長に継続した方が良い
・長時間トイレやいきみすぎ(荷物等を持つのも含む)は、悪化因子

<軟膏>
・入れる際に滑りやすくするために軟膏をチューブの先に少しつけてから挿入
・軟膏がもれる場合は入れ方が浅いことが多いので、もう少し深めに入れてから注入
・保管温度によって硬さが変わる(夏は柔らかく、冬は硬い)

<坐剤>
・30度超えると溶けて使えなくなる場合あるので保管温度注意。
・入れづらい場合は、周りを少し温めて溶かすか、軟膏を少しつけるとすべりが良くなる。
・入れる際は指の第2関節ぐらいまで入れると戻って来づらい
・そこまで指を入れるのに抵抗がある場合は、
 ある程度入れたら立ち上がってお尻の筋肉に力を入れると良い。



痔は2足歩行の宿病らしいから、上手く付き合っていけると良いと思う。

2015年11月14日土曜日

ヘモ(痔)の外用剤はどう違う?その1


Drから依頼があり、
ヘモに使用する外用剤の違いについて確認したので、
そのまとめ。
 
ヘモの外用剤は、軟膏と坐剤があるので、
まずは軟膏から。

 
医療用の軟膏は、主に5種類。
 


 







主にステロイドの有無と局所麻酔の有無で分けられる。
適応もそれぞれ違うけど、
手術創に適応があるのはポステリザンのみ。
 
海外では、ニトログリセリンやCa阻害薬の軟膏もあるみたいだけれど、
国内では販売なし。
 
 
 
 
続いてOTC。
種類がたくさんあるので、良く売ってそうなものをピックアップ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
効きをよく感じさせるためか、医療用の軟膏に比べて色々入っている。
よくCMでやっている、ボラギノールとブリザエースの系統に分けられるかな?
医療用よりもステロイドの量が少し多め。

医療用では、プロクトセディルがOTCと近いかも。
 

 
そもそもGoliger 分類の3度以上の痔核は手術適応があることを知らない人も多いし、
「痔だったらがんだった」みたいな話もあるそうだから個人的には、受診がおすすめ。

値段的にも長期で使用する(長期で使用しないと改善しない)場合は、
OTC買うよりもDrの診察受けて薬を処方してもらった方が良いかもね。


次は、坐剤をまとめてみる。

2015年11月11日水曜日

新生児へのスキンケアはアトピー性皮膚炎の予防になる?

薬局に来ていた資生堂の広告?を見ていたら
面白そうなのが載ってたのでチラ見。
 
 
新生児にスキンケアをするとアトピー性皮膚炎や乳児湿疹の発生が押えられるか?
という比較試験。
 
 
 
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P アトピー性皮膚炎の家族歴のある新生児
I  乳液状の保湿剤(ドゥーエ)を1日1回以上使用+必要時ワセリンを使用
C 必要時ワセリンを使用
O アトピー性皮膚炎、乳児湿疹の累積発生率
 
新生児0週~32週追跡のRCT
 
<割付>
サイズ4の置換ブロック法でランダム割付
<盲検化>
患者:× 医療者:〇 評価者:〇 解析:?
<その他>
ITTとFASで解析
サンプルサイズ:α=0.05, power=80%, 脱落5%、
           アトピー性皮膚炎の罹患率47%、乳児湿疹の罹患率20%と仮定して各群37例
脱落 介入群:9/59(15.3%) 対照群:10/59(16.9%)
 
<outcome>
アトピー性皮膚炎、乳児湿疹
 介入 19/59
 対照 24/59
 ハザード比 0.48 (0.27 - 0.86)
 

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国立生育医療センターでの厚生労働省の研究費による研究

早期治療終了による脱落が想定より多いのは、
どちらも同じくらいで15%くらいだし、サンプル数は充足しているから気にしなくてもOK?
試験方法はしっかりしてそう。
結果には、皮膚炎の発症のほかに卵アレルギー等との関連も見ているけど、
そちらはとりあえず省略。
 
 
保湿剤は、資生堂の2e(ドゥーエ)を使っているみたい。保湿剤なら何でもよいのかな?
新生児向けに保湿してアトピー性皮膚炎の発症を見るという試験は
チラッと探したけど他には見つけられなかった。
 
NNT=12人/32週 で単価の割に効果も大きそうなので、
家族にアトピー既往や乾燥肌の人がいる場合は、
子どもの皮膚に乾燥を感じなくても予防的に保湿剤を使用しても良いのかも知れない。
(肌に合わない場合があるというリスクは伴うけど)
 
小児科前に手伝いに行った時に必要そうな人がいれば、
様子見てスキンケアを勧めてみようかな。