2015年11月11日水曜日

新生児へのスキンケアはアトピー性皮膚炎の予防になる?

薬局に来ていた資生堂の広告?を見ていたら
面白そうなのが載ってたのでチラ見。
 
 
新生児にスキンケアをするとアトピー性皮膚炎や乳児湿疹の発生が押えられるか?
という比較試験。
 
 
 
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P アトピー性皮膚炎の家族歴のある新生児
I  乳液状の保湿剤(ドゥーエ)を1日1回以上使用+必要時ワセリンを使用
C 必要時ワセリンを使用
O アトピー性皮膚炎、乳児湿疹の累積発生率
 
新生児0週~32週追跡のRCT
 
<割付>
サイズ4の置換ブロック法でランダム割付
<盲検化>
患者:× 医療者:〇 評価者:〇 解析:?
<その他>
ITTとFASで解析
サンプルサイズ:α=0.05, power=80%, 脱落5%、
           アトピー性皮膚炎の罹患率47%、乳児湿疹の罹患率20%と仮定して各群37例
脱落 介入群:9/59(15.3%) 対照群:10/59(16.9%)
 
<outcome>
アトピー性皮膚炎、乳児湿疹
 介入 19/59
 対照 24/59
 ハザード比 0.48 (0.27 - 0.86)
 

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国立生育医療センターでの厚生労働省の研究費による研究

早期治療終了による脱落が想定より多いのは、
どちらも同じくらいで15%くらいだし、サンプル数は充足しているから気にしなくてもOK?
試験方法はしっかりしてそう。
結果には、皮膚炎の発症のほかに卵アレルギー等との関連も見ているけど、
そちらはとりあえず省略。
 
 
保湿剤は、資生堂の2e(ドゥーエ)を使っているみたい。保湿剤なら何でもよいのかな?
新生児向けに保湿してアトピー性皮膚炎の発症を見るという試験は
チラッと探したけど他には見つけられなかった。
 
NNT=12人/32週 で単価の割に効果も大きそうなので、
家族にアトピー既往や乾燥肌の人がいる場合は、
子どもの皮膚に乾燥を感じなくても予防的に保湿剤を使用しても良いのかも知れない。
(肌に合わない場合があるというリスクは伴うけど)
 
小児科前に手伝いに行った時に必要そうな人がいれば、
様子見てスキンケアを勧めてみようかな。

2015年10月10日土曜日

高齢者の積極的な運動は骨折予防になる?

ご近所にフィットネス設備があるリハビリ特化のデイケアができた
開所前に見学に行ったのだけど、器具もきれいで、専門のスタッフも配置され、感じが良かった。
 
 
運動すると刺激により骨密度が上がり易くなり、
骨折が減るなんて聞いたこともあるけど、どうなのかな?とおもい調べてみた。
 
 
 
閉経後の女性へ運動療法を行った場合の
骨粗鬆症の予防効果のコクランレビューがあったので、チラ見。

 
 
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P 健康な45歳-70歳の閉経後の女性
I  運動療法
C 通常の活動
O 骨折数、骨密度、転倒

<検索>
対  象:運動療法を介入としたRCT
検  索:CENTRAL、Medline、Embase、Current Contents
           HealthSTAR、SportsDiscus、CINAHL、PEDro、Web of Science、AMED
言  語:制限無し
その他:参考文献まで調べ、専門家へ連絡をとった
<文献抽出と評価>
2名が独立して行った。不一致は合意を形成するか、第三者が解決した
<risk of bias>
コクランのrisk of bias ツールを使用
不一致はディスカッションで合意を形成
出版バイアスは、funnelプロットで検討
<結果>
・骨折(4試験)
 exercise  17/312
 control  24/227
 OR = 0.61 (0.23 to 1.64, I2=37%)
・脊柱の骨密度(24試験1441人)
 MD +0.85% (0.62 to 1.07)
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エビデンスの質は、high
全体的に規模の小さい試験多くて、対象者も多くないし、
risk of biasも黄色が多いけど・・・?
weightの大きい試験の確度が高いからかな?

結果では、骨折の頻度では有意差なしだけど、
骨密度は骨盤以外の脊柱、大腿骨では、運動すると上昇傾向。

ただし、転倒やその他副作用は運動群の方が多いみたい。

検索に含まれた運動は、
自重負荷で静止したり、動いたり(強・弱)、
荷重で筋力トレーニング(強・弱)、コンビネーションだったりいろいろある。
サブグループ解析もたくさん載っているけど、
どう見て、どう考えたら良いのかが私には分からない・・・

フィットネスの器具でやるようなやつは、
Non-weight bearing exercise low force  (NWBLF)
Non-weight bearing exercise high force  (NWBHF)
っていうのになるのかな?



こんなのもあった
国際骨粗鬆症財団(IOF)の骨粗鬆症の高齢者への運動の推奨
 

骨粗鬆症の高齢者への推奨
  1.バランストレーニングと筋力トレーニングを組み合わせた
    複合的な運動プログラムの実施を強く推奨
  2.バランストレーニングや筋力トレーニングを伴わない有酸素運動をしないよう提案

骨粗鬆症性の脊椎骨折の既往がある高齢者への推奨
  1.バランストレーニングと筋力トレーニングを組み合わせた
    複合的な運動プログラムの実施を強く推奨
    理学療法士への相談は、安全で適切な運動を確保するために推奨される
  2.バランストレーニングや筋力トレーニングを伴わない有酸素運動をしないよう提案


上記のガイドラインの中では、
運動による転倒予防のエビデンスの質は高、骨密度、骨折では低となっている。



 
骨折の予防という観点でみると、骨密度より転倒予防に重点を置いたほうがよいのかな。

何でも良いから体を動かせ!運動しろ!というよりは、
バランス感覚を養って転びにくくし、踏ん張れる筋力をつけることで、
骨折につながる転倒をしないようにするトレーニングを行うことが大切なんだろうね。
 

膝が痛いのとかも、筋肉量が増えると症状が軽くなるから、
高齢者が出来る範囲で運動?(トレーニング?)をするのは良いことでしょう。

リハビリについては門外漢だから詳しいことは分からないけど、
こういう情報みると薬屋が出来ることは限られていて、他職種連携って大切なんだなぁと思う。

2015年9月11日金曜日

メサラジンの高用量の有効性は8週間まで?

メサラジンの寛解導入を目指す場合の高用量は
添付文書上8週までの制限があると初めて知った。
 
 
正確には、ペンタサ4000mgとか、アサコール3600mgだと、
「8週を超えた場合の安全性・有効性は確立していない」と書いてある
 
減量すると炎症が再燃するからと
添付文書上の最大量を使っている方が、何人かいたので普通だと思っていたが、
用量確認の疑義照会が8週を超えると一応必要だったらしい。
 
 
 
8週を超えた有効性、安全性の試験はないかな?
と思い探してみた。
ぱっと見つけられたのが下記。
 
 
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P 4.0g/日のメサラジンによる寛解導入療法を受けた潰瘍性大腸炎の患者
I  長期間治療(105日より長期)
C 短期間治療(105日以下)
O 再発頻度、治療開始から再発までの期間
長崎IBD研究グループのデータ解析による後向きコホート研究
<コホート>
2008年1月~2012年3月の期間に
Nagasaki IBD study group 内の病院、医院で、
メサラジン4g/日の寛解導入療法を受けて改善~寛解した人人
アザチオプリン/メルカプトプリンを併用した人は除外(24名)
180人治療→139人寛解→115人解析
<メサラジン服用期間の数え方>
4.0g/日メサラジン開始~4.0g/日メサラジン服用中止
4.0g/日メサラジン開始~2012.9.1
(中央値が105日)
<記載されている交絡因子>
年齢、性別、罹患期間、大腸の炎症の範囲
2群間の差を検定。多変量解析による調整はなし。
 
<outcome>
長期服用(57人 服用期間:425.7±267.7日)
  再発17人  (29.8%)
  再発までの期間 425.6±243.8日
短期服用(58人 服用期間:54.5±25.6日)
  再発28人  (48.3%)
  再発までの期間 277.4±224.5
 
副作用:下痢、呼吸困難、肝機能障害、薬剤性エリテマトーデスが1名ずつ
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服用期間を比べると、添付文書どおり8週vs長期服用という感じ?
 
長期服用群では、
再発人数は少ないけど、平均再発期間と平均服用期間がだいたい同じ
というのはどう解釈したらよいんだろう・・・
観察研究だから、長期服用群に維持量だと再発しやすい人が多い?
Drが経験上悪くなりそうな症例だから、4g/日で継続させたとかもあるのかな?
 
 
結果としては、4g/日を寛解導入後に飲んでいれば、
通常用量へ戻すと再燃する人でも寛解維持ができるかもという傾向にはあるみたい。
副作用は通常用量に比べて多いのかは判断が付かない。
 
 
 
添付文書に書いてある8週以上の有効性の確証が全くないわけではなさそう?
 
再審査期間もペンタサは2006年、アサコールは2013年に終わっているから、
疑義照会をする際は、すっとこどっこいな聞き方をしないように気をつけたい。

2015年8月7日金曜日

薬剤師が積極的に介入すると治療効果があがる?


福島県の会津地方では、
病院薬剤師と薬局薬剤師の連携(いわゆる薬薬連携)の
一環として「会津お薬手帳」というものがある。
 
普通の手帳にアセスメントページというのが、加わっているのが特徴。



  
その勉強会で、薬剤師の介入の違いによる治療効果について
検討しているRCTが紹介されていたのでチラ見。
(全文は見れないので詳細は不明)

 
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P 高血圧で未治療の18歳以上の成人
I  通常のケア
C 強化したケア
O 6ヵ月後の収縮期血圧の変化量
 
カナダのアラバマ州でのオープンラベルRCT
 
<通常のケア>
 3ヶ月に1回の受診。
 wallet card への血圧の記録、血圧に関するパンフレット、内科医と薬剤師による通常のケア
<強化したケア>
 月に1回の薬剤師によるフォローアップ
 血圧コントロールのチェック、治療のゴール、血圧管理のための生活習慣の改善などの
 心血管リスクを減らすための評価。
 現在の高血圧治療の処方内容が適切かどうかのチェックと
 追加の治療オプション(生活習慣の改善、薬の増量、薬の追加)の提案。
 
<outcome>
6ヵ月後の収縮期血圧の下降幅
 通常のケア   11.8±1.9 mmHg
 強化したケア 18.3±1.2 mmHg
目標血圧への到達者数
 OR 2.32 (1.17-4.15)
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 直接性の観点からみると
カナダと日本ではたぶん制度がちがう(詳しくしらない)ので、
日本の薬剤師ががんばれば同じように成果が上がるのかは不明。
 
あと、薬剤師じゃなくて看護士とか栄養士じゃダメなのか?とかも同様に不明。
処方内容に介入するようなので、薬剤師が適当なんだろうけどね。
全文読んでみたいなぁ。
 
 
しかし、薬剤師が介入することで、追加コストを掛けずに治療効果が上がるよ!
ってアピールできたら、よく出る薬剤師不要論も有益な議論に変わるんだろうと思う。
日本でもどこかで試験やっていないのかしら?
 
 
自分の仕事が有意義であると信じたいのは誰でも同じだと思うので
周囲の人にいてくれて良かったと言って貰えるように、日々の仕事をがんばろー

2015年7月23日木曜日

ロキソニン錠とテープでは、どのくらい血中濃度が違うの?

病院の先生から、
ロキソニンテープを貼るのと錠剤のむのはどのくらい血中濃度違うの?
と質問があったので調べてみた。
 
 
 
インタビューフォームによると、
 
ロキソプロフェンは、T1/2 = 1.22 hr
活性代謝物のtrans-OH体 T1/2 = 1.33 hr
 
 
AUCもインタビューフォームによると、
 
ロキソニン錠60mg 単回 内服
6.70±0.26 μg・hr/mL
trans-OH 体 2.02±0.05 μg・hr/mL
 
ロキソニンテープ100mg 1日1回5日間 貼付
5,281±1,704 ng・hr/mL (5.28 μg・hr/mL)
trans-OH 体 2,278±863 (2.28 μg・hr/mL)
 
 
強引だけど、単回のAUCが記載なかったので、テープの方を5で割ると
1日1回1枚だとAUC = 1.06  μg・hr/mL
 
6枚貼ると1錠分くらい?
1日3回内服するけど、半減期が短いのでAUCは単純に3倍でだいたい良さそう。

シップを1日18枚貼ると内服3回と同程度のAUCが得られるかも。
(そんなにたくさん貼れるかは知らない・・・)

 
 
ロキソプロフェンってプロドラッグだっけ?と思い出したので、
ロキソプロフェンとtrans-OH体の薬理活性がどのくらい違うのか?
をメーカーさんへ電話で確認した。
 
******************
抗炎症作用 1.2 対 1.3
鎮痛作用   0.76 対 1.1
※ロキソプロフェン 対 trans-OH体 (聞き忘れで両方とも単位不明)
trans-OH体よりロキソプロフェンの方が、
小腸潰瘍の発生頻度が低かったのでロキソプロフェンで製品開発した。
******************

とのことだった。
 

 
シップによるロキソプロフェンのままの吸収でも
抗炎症、鎮痛効果はあまり変わらなさそうなので、
無理にシップをたくさん貼るよりは内服したほうが良いのかもしれない。

2015年6月22日月曜日

DPP-4阻害薬で急性膵炎のリスクって上がるの?

新しくDPP-4阻害薬が処方になった患者さんへ交付をしていたら、
2年位前に急性膵炎で入院したことがあると言われ、
添付文書の副作用に膵炎って書いてあるけど大丈夫なのか?
と疑問に思ったので調べてみた。
(その場は、Drへ既往を報告後、膵炎の初期症状をおさらいしそのまま交付した)
 
 
膵炎既往の人に対して使用した際のリスクについては試験がなさそうなので、
一般的にDPP-4阻害薬を使用した場合の膵炎リスクについて調べてみる。
 
 
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P 2型糖尿病の患者
I  GLP-1作動薬、DPP-4阻害薬
C プラセボ、生活習慣の改善、他の糖尿病薬
O 急性膵炎発生数
  システマティックレビュー
 
<検索>
対象:12週以上のランダム化比較試験、比較試験、コホート研究、症例対照研究
データベース:Medline、Embase、CENTRAL、ClinicalTrials.gov
言語:制限無し
<文献抽出と評価>
独立して2名で行い、不一致は話し合い、合意が得られない場合は第3者が解決
<risk of bias>
介入試験:コクランのrisk of bias ツール
観察試験:Newcastle-Ottawa 品質評価スケール
出版バイアスは評価していない
<結果>
RCT・・・55試験(33227人)のメタアナリシス
 incretin 23 / 20127
 control  14 / 13100
 OR 1.11 (0.57 to 2.17 , I2=17%)
観察研究・・・3件のコホート研究、2件の症例対照研究
 JAMA Intern Med. 2013 Apr 8;173(7):534-9. 以外はORは1付近で有意差なし
 (メタアナリシスはしていない)
 
****************************
 
RCTで0.11%、コホート研究で0.47%の発生率で、
インクレチン関連薬で膵炎のリスクが増えるとはいえないそう。
サブグループ解析でDPP-4群だけ見ても余り結果は変わらない様子。
ただRCTは、異質性は低めだけれど、
発生率が低く各試験の標準誤差が大きいので、正確性は低いかも?
 
 
 
一応、上で記載のあった症例対照研究も見てみる。
 
 
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P Blue Cross Blue Shieldの保険に加入している18~64歳で
  2005/2/1~2008/12/31に2型糖尿病と診断され薬物治療を受けた人
I  エキセナチド、シタグリプチン
C それ以外の糖尿病薬
O 急性膵炎による入院
  110万人のデータベース解析による症例対照研究
 
<症例>
期間中の任意の時点で急性膵炎で入院の記録があった人
(1回目の処方から3ヶ月以内は除外)
<対照>
年齢、性別、加入保険、DSCI、加入パターン、追跡期間、
が症例群と同じようになるようにランダム抽出
<交絡因子>
高脂血症、飲酒、喫煙、胆石、肥満、胆管/膵臓癌、嚢胞性線維症、がん
医療費の水準(resource utility band)
(条件付ロジスティック回帰解析で調整)
<結果>
エキセナチド、シタグリプチンの使用歴あり
調整OR 2.07 (1.36 - 3.13)
 
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DPP-4阻害薬によって急性膵炎のリスクが、
増えるか、増えないかはよく分からない(あまり変わらなさそうではある)けど、
発生率自体も低いから日常ではあまり気にしなくてもよいのかも知れない。
 
しかし、日本だと実際に使われている第一選択薬がDPP-4阻害薬になっている
ような印象もあって、処方が良く来るので気にした方が良いのか??
そのもそも膵炎の既往があるとまた膵炎になるリスクって高いの?
 
 
患者さんはあんまり気にしてなかったけど、
こないだのはどう対応したらより良かったんだろう。。

2015年4月24日金曜日

メサラジンは潰瘍性大腸炎患者の大腸がんの予防になる?


先月社内の勉強会で、潰瘍性大腸炎について学習した。

・腹痛、下血等の自覚症状がない≠大腸の炎症がない(粘膜治癒)
・潰瘍性大腸炎の既往がある人は、大腸がんのリスクが高い
 診療ガイドラインによると、10年で2%、20年で8%、30年で18%で合併が認められると

というのは、知らなかったので今後の仕事にも活かしたい。
定期的に大腸内視鏡を実施するのにも理由があったのね。


寛解維持のために
メサラジン(5-ASA:ペンタサ、アサコール)がよく処方されるのを見かけるが、
飲み忘れが多かったりするコンプライアンスが悪い人もいたりするので、
5-ASAの服用は大腸がんの予防になるのか?が気になったので調べてみた。
(いわゆるがんの化学予防)


ぱっと検索して引っかかってきたのが↓のレビュー
Curr Clin Pharmacol. 2014 Feb;9(1):84-90.

2つのメタアナリシスが矛盾した結果を示すが、
ECCO(欧州がん学会)は5-ASAの長期的使用を推奨するとあるので、
その矛盾した2つのメタアナリシスを読んでみる。


*******************************
Am J Gastroenterol. 2005 Jun;100(6):1345-53.

P 潰瘍性大腸炎(UC)の患者
I  5-ASA製剤を使用
C 使っていない人
O 大腸がん(CRC)、異形成

観察研究のシステマティックレビュー

<検索>
Medline, Embase, Biosis, Web of Science, Cochrane library
主要な学会雑誌をハンドサーチ(AGA, ACG, BSG, UEGW)
<対象>
UCに対して5-ASAを暴露因子、CRCか異形成をアウトカムとしてみており、
リスク比やオッズ比が求められる試験

<Study selection >
検索者についての記載なし

<Data extraction
2名が独立して行い、不一致は合意を形成した

<risk of bias>
特定の評価方法はとっていない

1.未調整のOR比を使用する、2.異質性の判定をP<0.1、
3.研究を除外した場合の統計的な影響を評価、4.いくつかの項目で層別化し調整
<出版バイアス>
ファンネルプロットとケンドール順位相関係数


<outcome>
大腸がん        OR 0.51 (0.37–0.69, P=0.46)  ← 2 cohort  4 case-control
異形成          OR 1.18 (0.41–3.43, P=0.18)  ← 1 cohort  1 case-control
大腸がん&異形成  OR 0.51 (0.38–0.69, P=0.38)  ← 3 cohort  6 case-control
*******************************


コホート研究と症例対照研究をメタアナリシスしてよいのかはよく分からない。
前のレビューでは個別に試験結果を記載してあった。



もう一個の方は全文が見れない↓
Am J Gastroenterol. 2012 Sep;107(9):1298-304

非紹介の4つの観察研究で、調整OR 0.95 (0.66-1.38, I2 = 58.2%)
9つの病院ベースの研究で、調整OR 0.58 (95% CI: 0.45-0.75)
とアブストラクトからだと結果が異なる様子。

比較対象が異なっている、紹介バイアスというやつかしら?



がんの予防になるかどうかは、確証がないのでなんとも言えないけれど、
寛解維持になるし、メサラジン製剤はきっちり飲むように指導することは大切なんだろうと思う。

しかし、いつも処方が来るたびに思うけれど、1日3回飲むのは大変そう・・・