エーザイからラベキュア、ラベファインというセット製剤が発売され、
ちらほら処方が出るようになったので勉強。
Meta-analysis: esomeprazole or rabeprazole vs. first-generation pump inhibitors in the treatment of Helicobacter pylori infection.
Aliment Pharmacol Ther. 2012 Sep;36(5):414-25.
P:ピロリ菌感染症患者に対して
I:除菌療法で第2世代のPPI(esomeprazole, rabeprazole)を使用するのは、
C:第1世代のPPI(omeprazole, lansoprazole, pantoprazole)に比べて
O:除菌率は向上するのか?
【methods】
<検索>
Medline,Pubmed,CENTRAL,EMBase
<inclusion criteria>
1.RCT
2.PPIと2種類の抗菌薬を使用しているレジメン
3.異なる2種類のPPIを比較している
4.第1世代のPPIと第2世代のPPIを比較している
5.初回治療である
6.H.pyloriの陽性の診断がついていること
(組織検査、培養、迅速ウレアーゼ試験、尿素呼気試験)
7.除菌療法後4週間以上たってから、
生検、尿素呼気試験で治療結果が評価されている
<data exclusion>
検索と評価は、AGMとPMLの2名でが独立して行い、
判断が割れた場合は第三者(JPG)が決定した。
公表されているデータで不十分な場合は著者に連絡を取った。
<Statistical Analysis>
outcomeは、ITTの除菌率で比較。
出版バイアスはfunnel plotsで検討したが、出版バイアスの補正は行っていない。
20試験を解析して
ラベプラゾール群(1795人):80.5%
第一世代PPI群(1969人):76.2%
OR=1.21 (95%CI = 1.02–1.42)
Q-test P = 0.51, I2 = 0%
NNT=23
他の結果は省略。
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ラベプラゾールと第一世代PPIでは有意差ありだが、
制酸効果の強いと言われているラベプラゾールも
そこまで除菌率には影響を与えないみたい。
試験数が少ないので不確かかも知れないが、
エソメプラゾール40mg/日の方が除菌率は良い?
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Systematic review: Rabeprazole-based therapies in Helicobacter pylori eradication.
Aliment Pharmacol Ther. 2003 Mar 15;17(6):751-64.
P:ピロリ菌感染症患者に対して
I:除菌療法でrabeprazoleを用いるのは、
C:他のPPI(omeprazole, lansoprazole)を使用するのに比べて、
O:除菌率は向上するのか?
【methods】
<検索>
CENTRAL,Medline,EMBase,CINAHL
他WSや出版されていないネガティブスタディーも収集した
英語以外の言語でも検索を行った。
<Selection of studies>
・開始と終了時の患者数が明記されている
・PPIのみの異なり、抗菌薬は同じ内容のレジメンで比較している
<Assessment of study quality>
ランダム割付がされているか、二重盲検化されているかとそのの妥当性を2名のレビューアーが独立して評価し、意見が割れた場合は合意を形成して決定した。
重複していると判断されたものは除外した。
12試験で解析
ラベプラゾール群(1076人):79% (77–82%)
他のPPI群(1150人):77% (75–79%)
OR:1.15 (95% CI, 0.93–1.42)
chi-squared test P = 0.5
その他の結果は省略。
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ラベプラゾールと他のPPIの間に有意差なし。
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もっと良く調べれば良いのかも知れないが、ギブアップ。
ラベプラゾールの方が成績は多少よいかも知れないが、出版バイアスなども考えると、
そこまでインパクトのある差はなさそう。
ラベプラゾールは、ランソプラゾール、オメプラゾールと比べて代謝のCYP2C19の寄与度が少なく、
相互作用が少ないので、併用薬が有る人には良いかも知れない。
あと全部錠剤だから飲みやすい?
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