2014年4月7日月曜日

薬剤師国家試験に出ていた論文を読んでみた

今年の薬剤師国家試験を新人薬剤師さんに見せてもらった。
これじゃあ4年制の既卒は受からないよね。
カリキュラムが別物だもの。

問題に論文の読み方?のようなものがあったので、
例に取り上げられていた論文を読んでみた。



Systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials of gastro-oesophageal reflux interventions for chronic cough associated with gastro-oesophageal reflux.
BMJ. 2006 Jan 7;332(7532):11-7.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16330475

P:逆流性食道炎で咳が続く患者に対して
I:逆流性食道炎の治療(H2阻害薬、PPI、外科的処置)をすることは
C:プラセボと比較して
O:咳症状を改善させないのか?

<method>
QUOROM guidelines、コクラン共同メソッド、ソフトウェア(RevMan 4.2)を使用。
3週間以上咳の続くGORDの治療を対象としたランダム化比較試験で咳がアウトカムにあり、呼吸器疾患のないものを抽出

1次アウトカム:治療により改善しなかった割合
2次アウトカム:症状が大幅に改善しなかった割合、
         咳指数の変化、副作用、合併症

2人のレビューアーが独立して検索、評価し、
関連する出版物の参照や著者への連絡も行い、
合意を形成した。



<results>
・小児
シサプリドやドンペリドンによる
咳の有意な減少は見られなかった。
PPI等はデータが足りない。

・大人
8本の論文のうち
6本は全文、1本はアブストラクトのみ、
1本は報告書とアブストラクトが重複していた。

PPIとプラセボでの咳症状改善の比較
3試験49名
OR = 0.24 (95%CI 0.04 to 1.27) 
NNT = 5

PPIとプラセボの治療終了時の咳スコア改善
4試験77名

SMD = -0.29 (95%CI −0.62 to 0.04)

クロスオーバー試験による症状変化
2試験
SD units = −0.41 (95%CI −0.75 to −0.07)


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勉強不足でstandard mean difference(SMD)とかSD unitsがよく分からない。
効果量で、SDあたりの平均値の差で
SMD = (実験群の平均値 - 対照群の平均値)/両群のプールされた標準偏差
だそうだ。

逆流性食道炎を伴う咳は、逆流性食道炎の治療により多少は改善するみたい。
改善しない例もあるから他の原因も伴う?
経験的に逆流性食道炎の治療をおこなうのが良いとのこと。
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逆流性食道炎で咳がでるって人をあまり見ないのだけど、
私の観察が足りないだけかしら?
今度から聞いてみることにしようと思った。



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