ガイドラインでは第一選択は、ARBかACEIかCa阻害薬か利尿薬。
あまり推奨されていないドキサゾシン(カルデナリン)。
処方はたまに第2、第3選択でくるようなイメージが(個人的に)ある。
何でかな?と気になったので調べてみた。
最近は、血圧に対してはあまり臨床試験も行われていないようで、
ALLHAT試験というのが契機になっているらしい。
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JAMA. 2002 Dec 18;288(23):2981-97.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/
P 55歳以上のCHD(冠動脈性心疾患)のリスク因子を持つ1度~2度の高血圧患者に対して
I chlorthalidone(チアジド系利尿薬)を使用することは
C 他の薬(アムロジピン、リシノプリル、ドキサゾシン)と比較して
O 致死性CHDと非致死性の心筋梗塞は減るのか?
<割付>
電話により臨床センターでランダム化割付
コンピューターで生成したスキームを使用
42418人を5-9のブロックで層別化して割付
クロルタリドン:アムロジピン:リシノプリル:ドキサゾシン = 1.7:1:1:1
<Baseline>
だいたい同じ
<治療>
試験薬(見た目が同じCAP)で140-90未満を目指し、達成できない場合はDrの裁量で薬を追加
step2:アテノロール、レセルピン、クロニジン
step3:ヒドララジン
※臨床の必要性があれば少量のstep1の薬を使用する事は許可
<盲検化>
被験者:〇
医療者:〇
判定者:〇?
解析者:?
<解析>
α=0.0178, power=83%
ITTで解析
<primary outcome>
致死性CHDと非致死性の心筋梗塞
クロルタリドン 1362 / 15255 11.5%(6年間)
アムロジピン 798 / 9048 11.3%(6年間) RR = 0.98 (0.90 - 1.07)
リシノプリル 796 / 9054 11.4%(6年間) RR = 0.99 (0.91 - 1.08)
ドキサゾシン 早期中止
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中止されたドキサゾシン群の途中解析
JAMA. 2000 Apr 19;283(15):1967-75.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10789664
<primary outcome>
致死性CHDと非致死性心筋梗塞
クロルタリドン 608 / 15268 6.30%(4年間)
ドキサゾシン 365 / 9067 6.26%(4年間) RR = 1.03 (0.90 - 1.17)
<other outcome>
収縮期血圧 ドキサゾシン群の方がクロルタリドンに比べて期間中通じて2mmHg高い
全死亡 RR = 1.03 (0.90 - 1.15)
複合心血管疾患 RR = 1.25 (1.17 - 1.33)
内、うっ血性心不全(CHF) RR = 2.04 (1.79 - 2.32)
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クロルタリドンと比較して、
心血管関連死や心筋梗塞、全死亡等では有意差がつかなかったが、
複合心血管疾患や脳梗塞でリスク上昇が認められ、その後も差が開きそうだったから
中止になったみたい。
プラセボのないアクティブコントロールのみの試験なので、
ドキサゾシンで心血管疾患や脳梗塞が増えるのか減るのかは不明。
他に良い薬がたくさんあるんだから、まずは他の薬を使った方が・・・
というのが、高血圧に対するドキサゾシンの立ち位置?
寝る前にドキサゾシン追加するというJMS-1というオープンラベルのRCTで、
尿中アルブミン/クレアチニン比が改善するというのもある様子。
(全文は有料なので詳細不明。)
J Hypertens. 2008 Jun;26(6):1257-65.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18475166
↑は、血圧が下がること自体でアルブミン/クレアチニン比が改善する可能性もあるので、
プラセボ対照だし、ドキサゾシン独自のものかは私には分からない。
夜にCa阻害薬とかではダメなのかな? 探せばありそう。
あとはα阻害薬だから前立腺肥大のある人なんかにはよいのかな?
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