2014年10月27日月曜日
ビスホスホネートについてお勉強 その2
ビスホスホネートについて引き続きお勉強。
アレンドロン、リセドロン、ミノドロン等、
毎日だったり、週1回、月1回だったりいろいろあって良く分からなかったので、
どの程度値段が違うのかをまとめてみた。
こないだ発売したボナロンゼリーの薬価にびっくり。
製剤工夫で倍の値段がつくんだね。
特許切れ対策にしては、メーカーさん万々歳?
うちの地元の大きな病院も採用をゼリーに切り替えたしなぁ。
しかし、消化器系の副作用が減るとのデータもないし、
飲んだら一緒に水も180mL飲めって書いてあるし、
ゼリーを噛み砕くなと書いてあるし、倍の値段のメリットがあるのか疑問。
消化器の副作用は、毎日、週1、月1だと変わってくるのかな?
と気になったけど、あまり文献が見つけられなかった。
インタビューフォームを見ると副作用は大体変わらないと書いてある。
パッと見つけられたのは↓
********************
Ann Pharmacother. 2009 Apr;43(4):577-85.
(全文は見れないので詳細不明)
P 骨粗しょう症の女性
I イバンドロネートを月1回服用
C アレンドロネート、またはリセドロネートを週に1回服用
O 重篤な胃腸障害
後向きコホート
月1回 45 (0.52%) 対 週1回 70 (0.81%)
OR = 0.64(0.44 to 0.93)
********************
薬剤に暴露する頻度が減るから、副作用は週1、月1のほうが多少減るのかな?
毎日飲むのも大変だし、週1回、月1回の製剤になってきている流れは、
患者さんにとっては悪くないのかも知れない。
2014年10月19日日曜日
ビスホスホネートについてお勉強 その1
今月の会社の勉強会は、
メーカーさんが来てビスホスホネート(ゼリーが発売したやつ)についてやるそうなので、
事前にお勉強。
Mindsに2011年発行のガイドラインあり。
http://minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0046/G0000419/0001
ガイドラインやネットの情報を見ていると
FIT、FIT2、FLEX という一連の試験が有名らしいので読んでみる。
FIT
********************************
Lancet. 1996 Dec 7;348(9041):1535-41.
P 大腿頸部のBMDが0.68g/cm2以下の55~81歳の閉経後の女性(脊椎骨折既往あり)
I アレンドロン酸5mgを連日服用(24ヶ月目の受診時から10mgに増量)
C プラセボ
O 脊椎骨折の発生数
2027人を平均2.9年追跡したランダム化比較試験
(両群ともに約82%はCaもしくはCa+VDのサプリメント併用)
<割付>
クリニカルセンターで層別化して10人ずつのブロックでランダム割付
<マスキング>
患者:〇、医療者:〇、評価者:〇、解析者:?
<解析>
ITTで解析
サンプルサイズは、年間の発生率を6.5%の仮定で、
α=0.05,power=99%で40%の脊柱骨折のリスク低下、power=90%で36%の低下を検出
どちらの群も脱落は5%未満
<outcome>
morphometric vertebral fracture
アレンドロン酸 78/1022 (8.0%)
プラセボ 145/1005(15.0%)
相対リスク = 0.53 (0.41–0.68), NNT=14.3人
Any clinical fracture
アレンドロン酸 139/1022 (13.6%)
プラセボ 183/1005(18.2%)
相対リスク = 0.72 (0.58–0.90), NNT=21.7人
********************************
ハイリスク患者に3年の服用で脊柱骨折を半分に減らしましたという結果はすごいね。。
これだけみれば処方が良く出るのも納得。
他の大腿骨とか手首は%が低いからインパクトは小さそうだけど。
FIT2
********************************
JAMA. 1998 Dec 23-30;280(24):2077-82.
P 大腿頸部のBMDが0.68g/cm2以下の55~81歳の閉経後の女性(脊椎骨折既往がない人)
I アレンドロン酸5mgを連日服用(24ヶ月目の受診時から10mgに増量)
C プラセボ
O 臨床骨折?
4432人を平均4.2年追跡したランダム化比較試験
(両群ともに82%はCaもしくはCa+VDのサプリメント併用)
クリニカルセンターで層別化して10人ずつのブロックでランダム割付
コンピューター生成のコードで割り当て
<マスキング>
患者:〇、医療者:〇、評価者:〇、解析者:?
<解析>
ITTで解析
α=0.05,power=90%,4000人発生率4%で25%のリスク低下を検出
どちらの群も脱落は5%未満
<outcome>
Clinical fractures
アレンドロン酸 272/2214 (12.3%)
プラセボ 312/2218 (14.1%)
相対ハザード比 = 0.86 (0.73-1.01)
vertebral fracture
アレンドロン酸 43/2214 (2.1%)
プラセボ 78/2218 (3.8%)
相対ハザード比 = 0.56 (0.39-0.80), NNT=58.8人
********************************
骨折既往歴がない人を対象に全骨折を見たら、有意差なし。
FITと同じ脊柱骨折を見ると有意差はあるけれど、だいぶNNTが見劣りする感じ。
BMDは上がっているので、「骨密度の上昇=骨折の減少」という単純な関係ではないみたい。
FITは骨折既往歴のある人、FIT2は骨折既往歴のない人で対象が異なる。
腰の曲がったばあちゃんには良いみたいということでよいのかな?
日ごろの処方では、併用よりもビスホスホネート単独の人が多い気がするんだけど、
カルシウムやビタミンDの併用をするのとしないのでは違うのかな?
FLEX
********************************
JAMA. 2006 Dec 27;296(24):2927-38.
P FITとFIT2のアレンドロン酸群で3年終了時に継続して服用していた人
I アレンドロン酸5mg、アレンドロン酸10mgを連日服用
C プラセボ
O 股関節のBMD
アレンドロンを5年服用した人1099名をさらに平均5年追跡したランダム化比較試験
(CaとVDのサプリメント併用)
<割付>
センターで層別化して置換ブロック法でランダム割付
<マスキング>
患者:〇、医療者:〇、評価者:〇、解析者:?
<解析>
ITTで解析どの群も脱落は10%程度
<outcome>
total hip BMD
アレンドロン酸 −1.02% (SE=0.18)
プラセボ -3.38% (SE=0.22)
MD = 2.36% (1.81%-2.90%)
Any clinical fractures
アレンドロン酸 132/662 (19.9%)
プラセボ 93/437 (21.3%)
RR = 0.93 (0.71-1.21)
Clinical vertebral fracture
アレンドロン酸 23/662 (2.4%)
プラセボ 16/437 (5.3%)
RR = 0.45 (0.24-0.85) , NNT = 34.5人
********************************
ビスホスホネートを中止(FLEXプラセボ群)は、BMDは緩やかに下がるのに、
脊柱骨折以外の骨折頻度は変わらないみたい。
勉強不足で初耳のFDAの諮問?が2011年にあったみたい。
アポネットR研究会さんの記事が詳しい↓
http://www.watarase.ne.jp/aponet/blog/110908.html
長期服用で大腿骨の骨折が増えるような話もあるみたいだけど、
おなか一杯なので、また今度。
何年も長期で飲んでいるおじいちゃん、おばあちゃんたくさんいる中で、
本当は飲まなくても良い人がいるかもしれないんだね。
カルシウムとかVDのサプリメントは併用を薦めてみようかな。
2014年10月5日日曜日
エホニジピンは腎機能保護によい?
エホニジピン(ランデル)が腎保護に良いとチラ聞きしたので、調べてみた。
高血圧のガイドラインなんかでも腎保護作用ありと書いてあった。
上のは、獨協大学と慶応大学の研究で、小規模な試験だけれど
尿蛋白減少やアルドステロン値の減少が見込めるかも知れない。
不勉強であまり理解できていないけれど、
腎不全の患者さんはアルドステロン値が高値になるよ
→アルドステロンの高値は血圧も上がるし、腎機能や心血管に良くない影響を与えるよ
→ARBやACEIの他にCCBの一部でもアルドステロン下げるのがあるよ
→L型のよりはL/T型とかL/T/N型のCCB使ったらよいんじゃない?
という感じなんだろうか。
薬が切り替わった場合に、患者さんへカルシウム阻害薬のタイプから
どういう風に変わったと交付時に話すのは、アドヒアランスの向上的に悪くないかも。
他のカルシウム阻害薬でL/TとかL/T/N、L/Nの物では、
腎機能をアウトカムにした規模の大きな試験はあるのかな?
高血圧のガイドラインなんかでも腎保護作用ありと書いてあった。
エホニジピンは、日産化学工業開発の国産のCa阻害薬。
効能:高血圧症、腎実質性高血圧症、狭心症
血中半減期:2時間前後
代謝排泄:主にCYP3A4で代謝、胆汁を介し主に糞便中に排泄(90%以上?)、代謝物の活性あり
Keio J Med. 2010;59(3):84-95. によると
エホニジピンは、
CaチャネルのL型とT型を阻害する L/Tタイプとされる。
アゼルニジピン(カルブロック)ニルバジピン(ニバジール)
が同じような阻害傾向で、
L型単独(アムロジピンやニフェジピンなど)
に比べ糸球体の血管を広げ、
血流量を増やしやすいそうだ。
ベニジピン(コニール)は、さらにN型も阻害し、L/T/N型と。
試験では JATOS というのが、規模が大きいようだけれど、
エホニジピンをベースに血圧の厳格管理群と緩和管理群で比較するという試験みたいなので、
とりあえずスルー。
サブ解析で腎機能を見たのがあるようだけれど全文見れないからよく分からない。
小規模なのはいくつか見つけられたので、見てみた。
Hypertens Res. 2007 Jul;30(7):621-6.
P 血清クレアチニン濃度が30mg/dL以下の慢性糸球体腎炎の患者
I エホニジピン20mg~60mgを1日2回
C アムロジピン2.5mg~7.5mgを1日1回
O 尿たんぱく?血清アルドステロン値?
21名のランダム化クロスオーバー比較試験
ランダム化や盲検化の方法については詳細記載なし。
エホニジピン期は、アムロジピン期に比べ
GFRや血圧、脈拍などは差がなかったが、
尿蛋白量 1.7 ± 1.5 vs. 2.0 ± 1.6 g/g creatinine, p=0.04
血清アルドステロン値 52 ± 46 vs. 72 ± 48 pg/mL, p=0.009
Int Heart J. 2010 May;51(3):188-92.
P 維持透析実施の末期腎疾患患者
I エホニジピン20mg~60mgを1日2回
C アムロジピン2.5mg~7.5mgを1日1回
O 血清アルドステロン値?
20名のランダム化クロスオーバー比較試験
ランダム化や盲検化の方法については詳細な記載なし。
エホニジピン期はアムロジピン期にくらべ
平均血圧、脈拍、 血漿レニン活性および血漿アンジオテンシンIIに差はなかったが、
血清アルドステロン値 123 ± 118 versus 146 ± 150 pg/mL, P = 0.027
Am J Hypertens. 2003 Feb;16(2):116-22.
効能:高血圧症、腎実質性高血圧症、狭心症
血中半減期:2時間前後
代謝排泄:主にCYP3A4で代謝、胆汁を介し主に糞便中に排泄(90%以上?)、代謝物の活性あり
Keio J Med. 2010;59(3):84-95. によると
![]() |
| Keio J Med. 2010;59(3):84-95. より |
CaチャネルのL型とT型を阻害する L/Tタイプとされる。
アゼルニジピン(カルブロック)ニルバジピン(ニバジール)
が同じような阻害傾向で、
L型単独(アムロジピンやニフェジピンなど)
に比べ糸球体の血管を広げ、
血流量を増やしやすいそうだ。
ベニジピン(コニール)は、さらにN型も阻害し、L/T/N型と。
試験では JATOS というのが、規模が大きいようだけれど、
エホニジピンをベースに血圧の厳格管理群と緩和管理群で比較するという試験みたいなので、
とりあえずスルー。
サブ解析で腎機能を見たのがあるようだけれど全文見れないからよく分からない。
小規模なのはいくつか見つけられたので、見てみた。
Hypertens Res. 2007 Jul;30(7):621-6.
P 血清クレアチニン濃度が30mg/dL以下の慢性糸球体腎炎の患者
I エホニジピン20mg~60mgを1日2回
C アムロジピン2.5mg~7.5mgを1日1回
O 尿たんぱく?血清アルドステロン値?
21名のランダム化クロスオーバー比較試験
ランダム化や盲検化の方法については詳細記載なし。
エホニジピン期は、アムロジピン期に比べ
GFRや血圧、脈拍などは差がなかったが、
尿蛋白量 1.7 ± 1.5 vs. 2.0 ± 1.6 g/g creatinine, p=0.04
血清アルドステロン値 52 ± 46 vs. 72 ± 48 pg/mL, p=0.009
Int Heart J. 2010 May;51(3):188-92.
P 維持透析実施の末期腎疾患患者
I エホニジピン20mg~60mgを1日2回
C アムロジピン2.5mg~7.5mgを1日1回
O 血清アルドステロン値?
20名のランダム化クロスオーバー比較試験
ランダム化や盲検化の方法については詳細な記載なし。
エホニジピン期はアムロジピン期にくらべ
平均血圧、脈拍、 血漿レニン活性および血漿アンジオテンシンIIに差はなかったが、
血清アルドステロン値 123 ± 118 versus 146 ± 150 pg/mL, P = 0.027
Am J Hypertens. 2003 Feb;16(2):116-22.
エホニジピン vs ACEI 68(43?)名のランダム化比較試験
両群ともに蛋白尿を改善傾向?(全文見れないから詳細不明)
両群ともに蛋白尿を改善傾向?(全文見れないから詳細不明)
上のは、獨協大学と慶応大学の研究で、小規模な試験だけれど
尿蛋白減少やアルドステロン値の減少が見込めるかも知れない。
不勉強であまり理解できていないけれど、
腎不全の患者さんはアルドステロン値が高値になるよ
→アルドステロンの高値は血圧も上がるし、腎機能や心血管に良くない影響を与えるよ
→ARBやACEIの他にCCBの一部でもアルドステロン下げるのがあるよ
→L型のよりはL/T型とかL/T/N型のCCB使ったらよいんじゃない?
という感じなんだろうか。
薬が切り替わった場合に、患者さんへカルシウム阻害薬のタイプから
どういう風に変わったと交付時に話すのは、アドヒアランスの向上的に悪くないかも。
他のカルシウム阻害薬でL/TとかL/T/N、L/Nの物では、
腎機能をアウトカムにした規模の大きな試験はあるのかな?
2014年9月20日土曜日
過敏性腸症候群に整腸剤は効果があるの?
気質的に異状がなくても、便秘、下痢、ガスなどで困っている
過敏性腸症候群(IBS:Irritable Bowel Syndrome)の方は良くいらっしゃり、
よく整腸剤単独でも、何かとセットで処方されているのも良く見かける。
普段交付をしていて、本当に整腸剤は効くのかな?と疑問に思ったので調べてみた。
******************************
Gut. 2010 Mar;59(3):325-32.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19091823
P 16歳以上の過敏性腸症候群(IBS)の患者
I プロバイオティクス製剤
C プラセボ もしくは 無治療
O IBS症状の改善
RCTのシステマティックレビュー
<検索>
MEDLINE (1950 ~ 2008.6), EMBASE(1980 ~ 2008.6)
Cochrane Controlled Trials Register (2007)
言語の制限は特になく、英語以外は適宜翻訳した。
2001 ~ 2007 の会議の議事録を手検索した。各参考文献まで検索した。
<対象>
プロバイオティクス vs プラセボ(または無治療)で7日以上介入をしたパラレルRCT
16歳以上の大人を対象とし、併用療法についての制限はなし
<Study selection >
2人が独立して評価。不一致は、第三者のサポートを受けて合意を形成した。
185件→29件→18件
<risk of bias>
2人のレビューアーが、Jadad scaleを用いて評価。大きな問題はなさそう。
<データの抽出>
2人が独立して行い、第三者がチェックした。ITTで抽出した。
<出版バイアス>
ファンネルプロットとEggerテストで検討
出版バイアスによる多少の偏りと小規模試験の影響があるかも
<outcome>
・治療により2値評価で改善しなかった人の割合(10試験)
プロバイオティクス製剤群 281/553 (50.8%)
プラセボ または無治療群 252/365 (69.0%)
RR = 0.71 (0.57 to 0.88, p=0.001, I2=68%) NNT = 4 (3 to 12.5)
・各群の治療終了時の症状スコアの差
全体(14試験1351人) SMD = - 0.34 (-0.60 to - 0.07, p<0.001, I2 =79%)
外れている1試験を除いた感度分析 SMD = - 0.18 ( -0.29 to - 0.06, p=0.52, I2=0%)
Lactobacillus(4試験200人) SMD = 0.03 (- 0.25 to 0.31, p=0.41, I2=0%)
******************************
プロバイオティクス製剤は過敏性腸症候群の症状改善に良い影響を与える傾向があるみたい。
異質性が高いのは、小さい試験が多いからしょうがない?母数が少ないから不正確かも?
1種類よりも複数菌種を取ったほうが良いのかはよく分からない。
副作用について差は認められなかった様子。
以前しらべた 整腸剤の違いについて を見ると
普段良く見るビオフェルミン、ラックビー、ミヤBMとかは、Lactobacillus属ではないし、
NNTが3~12で有用性が高そうな割には薬価も安いので、
とりあえず整腸剤をだして様子を見るというのは理に適っているのかな。
ヤクルトは、Lactobacillus casei YIT 9029 だから、
過敏性腸症候群にはあまり向かない?
そういえば整腸剤って1日1回服用じゃだめなのかな?
3回とか2回に分けた方が効果が期待できるの?
過敏性腸症候群(IBS:Irritable Bowel Syndrome)の方は良くいらっしゃり、
よく整腸剤単独でも、何かとセットで処方されているのも良く見かける。
普段交付をしていて、本当に整腸剤は効くのかな?と疑問に思ったので調べてみた。
******************************
Gut. 2010 Mar;59(3):325-32.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19091823
P 16歳以上の過敏性腸症候群(IBS)の患者
I プロバイオティクス製剤
C プラセボ もしくは 無治療
O IBS症状の改善
RCTのシステマティックレビュー
<検索>
MEDLINE (1950 ~ 2008.6), EMBASE(1980 ~ 2008.6)
Cochrane Controlled Trials Register (2007)
言語の制限は特になく、英語以外は適宜翻訳した。
2001 ~ 2007 の会議の議事録を手検索した。各参考文献まで検索した。
<対象>
プロバイオティクス vs プラセボ(または無治療)で7日以上介入をしたパラレルRCT
16歳以上の大人を対象とし、併用療法についての制限はなし
<Study selection >
2人が独立して評価。不一致は、第三者のサポートを受けて合意を形成した。
185件→29件→18件
<risk of bias>
2人のレビューアーが、Jadad scaleを用いて評価。大きな問題はなさそう。
<データの抽出>
2人が独立して行い、第三者がチェックした。ITTで抽出した。
<出版バイアス>
ファンネルプロットとEggerテストで検討
出版バイアスによる多少の偏りと小規模試験の影響があるかも
<outcome>
・治療により2値評価で改善しなかった人の割合(10試験)
プロバイオティクス製剤群 281/553 (50.8%)
プラセボ または無治療群 252/365 (69.0%)
RR = 0.71 (0.57 to 0.88, p=0.001, I2=68%) NNT = 4 (3 to 12.5)
・各群の治療終了時の症状スコアの差
全体(14試験1351人) SMD = - 0.34 (-0.60 to - 0.07, p<0.001, I2 =79%)
外れている1試験を除いた感度分析 SMD = - 0.18 ( -0.29 to - 0.06, p=0.52, I2=0%)
Lactobacillus(4試験200人) SMD = 0.03 (- 0.25 to 0.31, p=0.41, I2=0%)
******************************
プロバイオティクス製剤は過敏性腸症候群の症状改善に良い影響を与える傾向があるみたい。
異質性が高いのは、小さい試験が多いからしょうがない?母数が少ないから不正確かも?
1種類よりも複数菌種を取ったほうが良いのかはよく分からない。
副作用について差は認められなかった様子。
以前しらべた 整腸剤の違いについて を見ると
普段良く見るビオフェルミン、ラックビー、ミヤBMとかは、Lactobacillus属ではないし、
NNTが3~12で有用性が高そうな割には薬価も安いので、
とりあえず整腸剤をだして様子を見るというのは理に適っているのかな。
ヤクルトは、Lactobacillus casei YIT 9029 だから、
過敏性腸症候群にはあまり向かない?
そういえば整腸剤って1日1回服用じゃだめなのかな?
3回とか2回に分けた方が効果が期待できるの?
2014年9月2日火曜日
エゼチミブってどの程度効果が期待できるの?
エゼチミブ(ゼチーア)ってスタチンと併用されたり、単独で処方されたりとまま見かけるが、
スタチンと比較してどのような立ち位置なのかが、よく分からなかったので調べてみた。
エゼチミブ単独とプラセボを比較した試験はあまり見つけられなかった。
(あってもLDLの下がり具合を見るものがほとんど?)
エゼチミブ10mg単独 vs プラセボ のシステマティックレビュー
J Intern Med. 2009 May;265(5):568-80. によるとRCT8件2722人で
LDL -18.58% (95% CI: -19.67 to -17.48)
T-Chol -13.46% (95% CI: -14.22 to -12.70)
だそうだ。
10%以上コレステロール値が下がるのは悪くないのかな?
単剤でよく処方されれている気がするけれど、それを強く肯定するほどの理由は少ない?
あとパッと調べて多いのが、スタチン+エゼチミブ vs スタチンの試験で、
シンバスタチン + エゼチミブの試験が多くみられる気がする。
ENHANS、SEAS、ARBITER6-HALTS、SHARP、
といった大規模試験が行われているみたいだけれど、
エゼチミブにとっては微妙な結果が続いているみたい。
中でも当時のインパクトが大きかった様子のENHANSという試験を読んでみた。
****************************
Simvastatin with or without ezetimibe in familial hypercholesterolemia.
N Engl J Med. 2008 Apr 3;358(14):1431-43.http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18376000
P 30歳~75歳の家族性高脂血症患者
I シンバスタチン40mg + エゼチミブ10mg
C シンバスタチン40mg + プラセボ
O 頚動脈の内膜中膜複合体(IMT)の変化量
シンバスタチン+プラセボ357人、シンバスタチン+エゼチミブ363人を24ヶ月治療したRCT
<割付>
プラセボによる6週間のrunin期間の後
コンピュータ生成のコードを用いて、臨床センターで層別化してランダム化割付
<Baseline>
だいたい一緒。頚動脈IMTもだいたい一緒。
エゼチミブ併用群の方がBMIと高血圧比率が高く、心筋梗塞既往は少ない。
<マスキング>
被験者〇、医療者〇?、判定者〇、解析者〇
<解析>
ITTではない
0.05mmの差を検出するのに、α=0.05 power=90%
脱落:シンバスタチン+プラセボ11.5%、シンバスタチン+エゼチミブ17.6%
<outcome>
頚動脈(総頚動脈、内頚動脈、頚動脈洞)のベースラインとの平均差(24ヶ月)
シンバスタチン+プラセボ 0.0058 ± 0.0037 mm
シンバスタチン+エゼチミブ 0.0111 ± 0.0038 mm (P=0.29)
LDLコレステロール(24ヶ月の試験終了時)
シンバスタチン+プラセボ 192.7 ± 60.3 mg/dL
シンバスタチン+エゼチミブ 141.3 ± 52.6 mg/dL
****************************
アウトカムがいわゆる代用アウトカムで直接的に心血管障害の頻度を見たわけではないので、
エゼチミブの追加により本当に予防効果がないのかは分からない。
LDLの下げ幅は、シンバスタチン単独が約40%、エゼチミブ併用が約60%。
LDLが下がっただけでは動脈硬化予防にはならないの?
あと、日本よりシンバスタチンの用量が多い(日本での最大量は20mg)ので、
高用量の試験結果を低用量で使用している日本も同じように考えてよいのかも分からない。
IMPROVE-IT
http://clinicaltrials.gov/ct/show/NCT00202878
という試験が、シンバスタチン40mg + エゼチミブ10mg vs シンバスタチン40mg、
心血管イベントをアウトカムとして行われていて、2014年に終わるそうなので、
その結果が出てくると面白いのかもしれない。
第一選択のスタチンでコレステロールが下がらないような方の選択肢として使うのが主目的?
単剤の試験があまりないのは何で?
動脈硬化等の血管障害予防については有効性があるかどうかは分からないけど、
患者さんに単剤または併用でコレステロールが下がりますと言ってよいのは確かみたい。
2014年8月18日月曜日
バファリンとバイアスピリンはどう違うの?
血栓の2次予防などでよく処方を見かけるアスピリン製剤。
、
バイアスピリンとバファリンの2種類があるけれど、
ふと気になったので、どう違うのか?を調べてみた。
各インタビューフォームより。
バイアスピリン錠100mg
アスピリン 100mg
腸溶性のフィルムコート錠(Enteric Coated Aspirin)
→胃で溶けないようにすることで、胃への負担軽減
単回投与時 Cmax:455.3(μg/L), Tmax:4.0(hr), AUC:542.2(μg・hr/L), T1/2:0.44(hr)
バファリン配合錠A81
アスピリン 81mg
ダイアルミネート(ジヒドロキシアルミニウム アミノアセテート + 炭酸マグネシウム)33mg
2層性の素錠(Buffered Aspirin)
→ダイアルミネートにより胃のpHが4-6に上昇し、アスピリンの溶解を促進、胃での吸収促進
単回投与時 Cmax:1185(μg/L), Tmax:0.39(hr), AUC:999(μg・hr/L), T1/2:0.40(hr)
バファリン330のインタビューフォームに
胃でのアスピリン結晶析出により胃壁障害と書いてあったけど、そんなの起こるんだね。
腸での吸収とか胃での吸収ってのも知らなかった。
調剤では、バイアスピリンは裸錠でも比較的安定で
バファリンは湿度、温度で外観変化と含量低下が起こる点が異なる。
フィルムコートと添加剤、ダイアルミネートによる影響?
あと一包化するときにバファリンのラミネート包装はあけるのが面倒。
名前の由来は、
Bayer's Aspirin → Bayaspirin
Buffered Aspirin → Bufferin
だって。
アスピリンのバイオアベイラビリティは高く、COX-1阻害作用も非可逆なので、
微妙な用量の違いはあまり気にしなくても良いかな?
(単回投与時のAUCが異なるのはバイアスピリンの吸収が遅いから?なんで?)
で、気になる胃腸障害については、
Int J Clin Pharmacol Ther. 2014 Mar;52(3):181-91.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24472400
というのを見つけたけど、全文が見れないので探したら
同じ先生が書いている↓があった。
****************************
医療薬学 Vol. 39 (2013) No. 8 P 471-481
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjphcs/39/8/39_471/_article/-char/ja/
P 日本の保険診療を受けた人
I 腸溶性製剤を服用
C 制酸緩衝製剤を服用
O 消化管障害の頻度(傷病名の付与率)
害 後向きコホート
<期間>
2010年1月~12月
<データベース>
厚生労働省提供の
医科(入院外)と調剤のレセプトデータ
<結果>
全体 87,129,127人
腸溶性製剤を期間内に服用 3,935,743人
制酸緩衝製剤を期間内に服用 655,553人
PPIの併用率(年間平均)
腸溶性製剤 24.0%
制酸緩衝製剤 17.2%
傷病名付与率
・消化管障害全体
腸溶性製剤 25.0%
制酸緩衝製剤 23.2%
・胃潰瘍
腸溶性製剤 23.0%
制酸緩衝製剤 21.5%
・出血性胃潰瘍
腸溶性製剤 0.31%
制酸緩衝製剤 0.26%
・下部消化管出血
腸溶性製剤 0.085%
制酸緩衝製剤 0.062%
****************************
傷病名付与≠実際の有害事象の発生
なので、どっちが消化器障害を起こしやすいのか?を直接判断は出来ないかも。
全文が有料なので細かくは分からないが↓のようなのもあった。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8937281
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21501103
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22749649
多少、腸溶性製剤のほうが障害が多いかもしれない?
(それが日常で差が認識できるようなレベルかは分からないけれど)
そういえば、アスピリンとPPIの併用は上記でも併用率見ているし
なんか良くみるけど、問題ないのかな?
武田が合剤を何か出してたような。。
考えてみれば、よく見かける割に分からない事だらけ。
、
バイアスピリンとバファリンの2種類があるけれど、
ふと気になったので、どう違うのか?を調べてみた。
各インタビューフォームより。
バイアスピリン錠100mg
アスピリン 100mg
腸溶性のフィルムコート錠(Enteric Coated Aspirin)
→胃で溶けないようにすることで、胃への負担軽減
単回投与時 Cmax:455.3(μg/L), Tmax:4.0(hr), AUC:542.2(μg・hr/L), T1/2:0.44(hr)
バファリン配合錠A81
アスピリン 81mg
ダイアルミネート(ジヒドロキシアルミニウム アミノアセテート + 炭酸マグネシウム)33mg
2層性の素錠(Buffered Aspirin)
→ダイアルミネートにより胃のpHが4-6に上昇し、アスピリンの溶解を促進、胃での吸収促進
単回投与時 Cmax:1185(μg/L), Tmax:0.39(hr), AUC:999(μg・hr/L), T1/2:0.40(hr)
バファリン330のインタビューフォームに
胃でのアスピリン結晶析出により胃壁障害と書いてあったけど、そんなの起こるんだね。
腸での吸収とか胃での吸収ってのも知らなかった。
調剤では、バイアスピリンは裸錠でも比較的安定で
バファリンは湿度、温度で外観変化と含量低下が起こる点が異なる。
フィルムコートと添加剤、ダイアルミネートによる影響?
あと一包化するときにバファリンのラミネート包装はあけるのが面倒。
名前の由来は、
Bayer's Aspirin → Bayaspirin
Buffered Aspirin → Bufferin
だって。
アスピリンのバイオアベイラビリティは高く、COX-1阻害作用も非可逆なので、
微妙な用量の違いはあまり気にしなくても良いかな?
(単回投与時のAUCが異なるのはバイアスピリンの吸収が遅いから?なんで?)
で、気になる胃腸障害については、
Int J Clin Pharmacol Ther. 2014 Mar;52(3):181-91.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24472400
というのを見つけたけど、全文が見れないので探したら
同じ先生が書いている↓があった。
****************************
医療薬学 Vol. 39 (2013) No. 8 P 471-481
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjphcs/39/8/39_471/_article/-char/ja/
P 日本の保険診療を受けた人
I 腸溶性製剤を服用
C 制酸緩衝製剤を服用
O 消化管障害の頻度(傷病名の付与率)
害 後向きコホート
<期間>
2010年1月~12月
<データベース>
厚生労働省提供の
医科(入院外)と調剤のレセプトデータ
<結果>
全体 87,129,127人
腸溶性製剤を期間内に服用 3,935,743人
制酸緩衝製剤を期間内に服用 655,553人
PPIの併用率(年間平均)
腸溶性製剤 24.0%
制酸緩衝製剤 17.2%
傷病名付与率
・消化管障害全体
腸溶性製剤 25.0%
制酸緩衝製剤 23.2%
・胃潰瘍
腸溶性製剤 23.0%
制酸緩衝製剤 21.5%
・出血性胃潰瘍
腸溶性製剤 0.31%
制酸緩衝製剤 0.26%
・下部消化管出血
腸溶性製剤 0.085%
制酸緩衝製剤 0.062%
****************************
傷病名付与≠実際の有害事象の発生
なので、どっちが消化器障害を起こしやすいのか?を直接判断は出来ないかも。
全文が有料なので細かくは分からないが↓のようなのもあった。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8937281
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21501103
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22749649
多少、腸溶性製剤のほうが障害が多いかもしれない?
(それが日常で差が認識できるようなレベルかは分からないけれど)
そういえば、アスピリンとPPIの併用は上記でも併用率見ているし
なんか良くみるけど、問題ないのかな?
武田が合剤を何か出してたような。。
考えてみれば、よく見かける割に分からない事だらけ。
2014年7月29日火曜日
ドキサゾシンは何で高血圧に推奨されていないの?
ガイドラインでは第一選択は、ARBかACEIかCa阻害薬か利尿薬。
あまり推奨されていないドキサゾシン(カルデナリン)。
処方はたまに第2、第3選択でくるようなイメージが(個人的に)ある。
何でかな?と気になったので調べてみた。
最近は、血圧に対してはあまり臨床試験も行われていないようで、
ALLHAT試験というのが契機になっているらしい。
***************************
JAMA. 2002 Dec 18;288(23):2981-97.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/
P 55歳以上のCHD(冠動脈性心疾患)のリスク因子を持つ1度~2度の高血圧患者に対して
I chlorthalidone(チアジド系利尿薬)を使用することは
C 他の薬(アムロジピン、リシノプリル、ドキサゾシン)と比較して
O 致死性CHDと非致死性の心筋梗塞は減るのか?
<割付>
電話により臨床センターでランダム化割付
コンピューターで生成したスキームを使用
42418人を5-9のブロックで層別化して割付
クロルタリドン:アムロジピン:リシノプリル:ドキサゾシン = 1.7:1:1:1
<Baseline>
だいたい同じ
<治療>
試験薬(見た目が同じCAP)で140-90未満を目指し、達成できない場合はDrの裁量で薬を追加
step2:アテノロール、レセルピン、クロニジン
step3:ヒドララジン
※臨床の必要性があれば少量のstep1の薬を使用する事は許可
<盲検化>
被験者:〇
医療者:〇
判定者:〇?
解析者:?
<解析>
α=0.0178, power=83%
ITTで解析
<primary outcome>
致死性CHDと非致死性の心筋梗塞
クロルタリドン 1362 / 15255 11.5%(6年間)
アムロジピン 798 / 9048 11.3%(6年間) RR = 0.98 (0.90 - 1.07)
リシノプリル 796 / 9054 11.4%(6年間) RR = 0.99 (0.91 - 1.08)
ドキサゾシン 早期中止
***************************
中止されたドキサゾシン群の途中解析
JAMA. 2000 Apr 19;283(15):1967-75.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10789664
<primary outcome>
致死性CHDと非致死性心筋梗塞
クロルタリドン 608 / 15268 6.30%(4年間)
ドキサゾシン 365 / 9067 6.26%(4年間) RR = 1.03 (0.90 - 1.17)
<other outcome>
収縮期血圧 ドキサゾシン群の方がクロルタリドンに比べて期間中通じて2mmHg高い
全死亡 RR = 1.03 (0.90 - 1.15)
複合心血管疾患 RR = 1.25 (1.17 - 1.33)
内、うっ血性心不全(CHF) RR = 2.04 (1.79 - 2.32)
***************************
クロルタリドンと比較して、
心血管関連死や心筋梗塞、全死亡等では有意差がつかなかったが、
複合心血管疾患や脳梗塞でリスク上昇が認められ、その後も差が開きそうだったから
中止になったみたい。
プラセボのないアクティブコントロールのみの試験なので、
ドキサゾシンで心血管疾患や脳梗塞が増えるのか減るのかは不明。
他に良い薬がたくさんあるんだから、まずは他の薬を使った方が・・・
というのが、高血圧に対するドキサゾシンの立ち位置?
寝る前にドキサゾシン追加するというJMS-1というオープンラベルのRCTで、
尿中アルブミン/クレアチニン比が改善するというのもある様子。
(全文は有料なので詳細不明。)
J Hypertens. 2008 Jun;26(6):1257-65.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18475166
↑は、血圧が下がること自体でアルブミン/クレアチニン比が改善する可能性もあるので、
プラセボ対照だし、ドキサゾシン独自のものかは私には分からない。
夜にCa阻害薬とかではダメなのかな? 探せばありそう。
あとはα阻害薬だから前立腺肥大のある人なんかにはよいのかな?
登録:
投稿 (Atom)

