2016年9月30日金曜日

Newcastle-Ottawa scale(NOS)ってなに?

Newcastle-Ottawa scale(NOS)っていうのは、システマティックレビューの際に
コホート研究と症例対象研究のリスクを評価をするためのスケールらしい。
コホートのだけ見ると、
Slection
 暴露群コホートの代表性
 非暴露群のコホートの選択(同じ集団から?)
 暴露因子の確認方法(レコード?定型インタビュー?自己申告?)
 試験開始時のアウトカム有無(影響の大きい交絡因子など)
Comparability
 交絡因子の調整
Outcome
 アウトカムの確認方法(独立盲検?セキュアな方法?レコード?自己申告?)
 観察期間はアウトカムの発生に十分か
 追跡率
といった内容。
あと、検索したら引っかかった相原先生の記事によると
RoBANS(Risk of Bias Assessment Tool for Nonrandomized Studies)
というのも、リスク評価ツールとしてあるそうな。
↓相原先生による和訳のpdfもあるってすごいね。。

2016年9月29日木曜日

配合剤で服薬コンプライアンスは改善するの?

ミカトリオが承認されたというニュースを見て、
最近降圧薬の配合剤が良く処方されるけど
剤数減る以外のメリットあるのかな?
と疑問に思ったので調べてみた。

剤数減少=コンプライアンス向上は本当?
 
調度良さそうなシステマティックレビューがあったので読んでみる
 
 
 
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P 高血圧治療中の人
I  配合錠を使用
C 同成分の錠剤を各々服用
O コンプライアンス、治療の継続性、血圧降下作用、副作用
 

<検索>
対 象:比較試験、コホート試験
検 索:PubMed, Web of Science, CENTRAL
言 語:英語
その他:2名が独立して実施
    各文献の参考文献まで調べた
    データの不足分は著者へ連絡を取った
<試験選択>
2名が独立して実施
比較試験9件、コホート6件
<データ抽出>
2名が独立して実施
<risk of bias>
2名が独立して実施
比較試験:Delphi list
コホート研究: Newcastle-Ottawa scale
出版バイアスは、ファンネルプロット、BeggsまたはEggersテストで検討
 
<Outcome>
コンプラアンス
 比較試験(2試験357人) OR = 1.22 (0.90 - 1.66)
 コホート(3試験17642人) OR = 1.21 (1.00 - 1.47)

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配合剤を使用した方が単剤でそれぞれ飲むより、
少しコンプライアンスや治療の継続性が少し良いような傾向みたい
(有意差はついてないけど)
 
 
ちなみに各観察試験におけるコンプライアンスの定義は、
 
Taylor 2003
 リフィルで薬をもらった日数/次の処方箋をもらうまでの間隔
 80.8% 対 73.8%
Gerbino 2004
 MPR(medication possession ratio)= 実際に服用した数/処方された数
 88% 対 69%
Dickson 2008
 MPR(medication possession ratio)
 63.4% 対 49.0%
 
 
1-2割でもより飲めるようになるのであれば、
薬代も多少安くなるし、悪くないのかもしれない。
 
あと、文中のDelphi listとNewcastle-Ottawa scaleが、
何か良く分からないので、別に調べてみようと思う。

2016年9月24日土曜日

PPIの長期服用は腎機能に良くない?


PPI(エソメプラゾール)をGERDで継続して飲んでいる患者さんから、
腎機能が悪いんだけど大丈夫?と質問があった。
腎機能がわからなかったので、
病院に確認したら、Scr=1.7mg/dL。
中肉中背の60代男性なので、
おおざっぱに計算するとCcr≒40mL/minで重度のCKD。
一応エソメプラゾールは腎機能で調節不要となっている。
インタビューフォームを見ると、
肝臓で代謝され未変化体の尿中排泄率は1%以下、
便中:尿中=4:1なので、問題はなさそう。
腎機能の悪化に影響はないのかな?
と疑問に思ったので調べてみた。
最近のが2報あったので読んでみる。

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P1  ARIC試験でeGFR≧60 mL/min/1.73m2の人(10482人)
P2  Geisinger Health Systemに登録されていてeGFR≧60 mL/min/1.73m2の人(248751人)
E1  自己申告のPPI、H2阻害薬の使用
E2  Geisinger Health Systemで登録されたPPI、H2阻害薬の使用
C 非使用
O1  退院時にCKDの診断、もしくは死亡
O2  Geisinger Health SystemでeGFR<60 mL/min/1.73m2の患者数
<追跡期間>
ARIC試験 1996/2/1 ~ 2011/12/31(中央値13.9年)
Geisinger Health System 1997/2/13 ~ 2014/10/9(中央値6.2年)
<脱落>
ARIC試験 11145人→10482人 663人(約6%)
Geisinger Health System データベース解析なのでなし
<交絡因子の調整>
Cox比例ハザード回帰
<その他>
ARIC試験では、maskingはされていない。
データベースのコードによるOutcomeの評価
<Outcome>
PPI 使用 vs 非使用者 
 ARIC試験
   PPI 56/322  14.2件/1000人年
   非使用者 1382/10160  10.7件/1000人年
   調整ハザード比 1.50 (1.14-1.96)
 Geisinger Health System

   PPI 1921/16900  20.1件/1000人年
   非使用者 28226/231851  18.3件/1000人年
   調整ハザード比 1.17 (1.12-1.23)

H2阻害薬使用 vs 非使用者 (調整ハザード比)

 ARIC試験 1.15 (0.98-1.36)
 Geisinger Health System 0.93 (0.88-0.99)
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PPIとH2阻害薬と対象群の背景の差が大きい気もするけど、
PPI使用によりCKDのリスクは上昇するらしい。
ARICは、肥満者が多かったようなことが書いてあるので、
調整ハザード比が大きいのはその影響かしら?それとも追跡期間が長いから?


もう一つの方、
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P 退役軍人のデータベースでeGFR≧60ml/min/1.73m2
E 2006/10/1~2008/9/30にPPIが新規に処方
C 2006/10/1~2008/9/30にH2阻害薬が新規に処方
O eGFR<60ml/min/1.73m2、もしくはCKDの診断
<追跡期間>
~2013/9/30 5年
<脱落>
データベース解析なのでなし
<交絡因子の調整>
Coxモデル
<その他>

感度分析でマッチチングしても結果はあまり変わらず

<Outcome>
eGFR<60ml/min/1.73m2
 PPI 48171/173321 = 27.79%
 H2B 4429/20270 = 21.85%
 ハザード比 1.22 (1.18 to 1.26)
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こちらもH2阻害薬に比べてPPIの方が、
長期服用で腎機能低下、CKDが起こりやすいという結果。
GERDの症状が落ち着いているようだったら、
一度止めてみるのをお勧めしてみても良かったのかな。。
もしくは、ファモチジン1日1回で提案してみるとかかな。