2014年10月5日日曜日

エホニジピンは腎機能保護によい?

エホニジピン(ランデル)が腎保護に良いとチラ聞きしたので、調べてみた。
高血圧のガイドラインなんかでも腎保護作用ありと書いてあった。


あまり処方見かけなくて詳しくないのでおさらい。

インタビューフォーム によると
エホニジピンは、日産化学工業開発の国産のCa阻害薬。
効能:高血圧症、腎実質性高血圧症、狭心症
血中半減期:2時間前後
代謝排泄:主にCYP3A4で代謝、胆汁を介し主に糞便中に排泄(90%以上?)、代謝物の活性あり


Keio J Med. 2010;59(3):84-95. によると
Keio J Med. 2010;59(3):84-95. より
エホニジピンは、
CaチャネルのL型とT型を阻害する L/Tタイプとされる。

アゼルニジピン(カルブロック)ニルバジピン(ニバジール)

が同じような阻害傾向で、
L型単独(アムロジピンやニフェジピンなど)
に比べ糸球体の血管を広げ、
血流量を増やしやすいそうだ。

ベニジピン(コニール)は、さらにN型も阻害し、L/T/N型と。




試験では JATOS というのが、規模が大きいようだけれど、
エホニジピンをベースに血圧の厳格管理群と緩和管理群で比較するという試験みたいなので、
とりあえずスルー。
サブ解析で腎機能を見たのがあるようだけれど全文見れないからよく分からない。


小規模なのはいくつか見つけられたので、見てみた。


Hypertens Res. 2007 Jul;30(7):621-6.
P 血清クレアチニン濃度が30mg/dL以下の慢性糸球体腎炎の患者
I  エホニジピン20mg~60mgを1日2回
C アムロジピン2.5mg~7.5mgを1日1回
O 尿たんぱく?血清アルドステロン値?

21名のランダム化クロスオーバー比較試験
ランダム化や盲検化の方法については詳細記載なし。

エホニジピン期は、アムロジピン期に比べ
GFRや血圧、脈拍などは差がなかったが、
尿蛋白量 1.7 ± 1.5 vs. 2.0 ± 1.6 g/g creatinine, p=0.04
血清アルドステロン値 52 ± 46 vs. 72 ± 48 pg/mL, p=0.009


Int Heart J. 2010 May;51(3):188-92.
P 維持透析実施の末期腎疾患患者
I  エホニジピン20mg~60mgを1日2回
C アムロジピン2.5mg~7.5mgを1日1回
O 血清アルドステロン値?

20名のランダム化クロスオーバー比較試験
ランダム化や盲検化の方法については詳細な記載なし。

エホニジピン期はアムロジピン期にくらべ
平均血圧、脈拍 血漿レニン活性および血漿アンジオテンシンIIに差はなかったが、
血清アルドステロン値 123 ± 118 versus 146 ± 150 pg/mL, P = 0.027


Am J Hypertens. 2003 Feb;16(2):116-22.
エホニジピン vs ACEI 68(43?)名のランダム化比較試験
両群ともに蛋白尿を改善傾向?(全文見れないから詳細不明)



上のは、獨協大学と慶応大学の研究で、小規模な試験だけれど
尿蛋白減少やアルドステロン値の減少が見込めるかも知れない。

不勉強であまり理解できていないけれど、
腎不全の患者さんはアルドステロン値が高値になるよ
→アルドステロンの高値は血圧も上がるし、腎機能や心血管に良くない影響を与えるよ
→ARBやACEIの他にCCBの一部でもアルドステロン下げるのがあるよ
→L型のよりはL/T型とかL/T/N型のCCB使ったらよいんじゃない?

という感じなんだろうか。

薬が切り替わった場合に、患者さんへカルシウム阻害薬のタイプから
どういう風に変わったと交付時に話すのは、アドヒアランスの向上的に悪くないかも。


他のカルシウム阻害薬でL/TとかL/T/N、L/Nの物では、
腎機能をアウトカムにした規模の大きな試験はあるのかな?


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