2014年12月17日水曜日

GISSIとJELIS(MRさんがEPA&DHAの説明会の資料に使ってた試験)


こないだのEPAとDHA(ロ〇リガ)の商品説明の際に使われていた
試験を探してみた。

どっちもLancetだって。



GISSI-Prevenzione trial
http://www.gissi.org/Egissip/T_Intro.php
(全文が見れないのでアブストのみ)
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Lancet. 1999 Aug 7;354(9177):447-55.

P 3ヶ月以内に心筋梗塞の既往がある人
I  ビタミンE、n-3系不飽和脂肪酸(n-3 PUFAs)、もしくはその両方
C 介入なし
O 死亡、非致死性の心筋梗塞、脳卒中の複合アウトカム

11,324名を3.5年追跡したオープンラベルの4群比較のランダム化比較試験

1次エンドポイント
(介入なしと比較 4-way)
n-3 PUFAs群 RRR:15% (2-26) 
n-3 PUFAs+VE併用群 RRR:14% (1-26)
(n-3 PUFAsあり、なしで比較 2-way)
RRR:10% (1-18)
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ビタミンEの併用による差はないそう。

全文が見れた同じ試験を時間経過により解析している
Circulation. 2002 Apr 23;105(16):1897-903. によると
1次アウトカムは2-wayで718 (12.7%) vs 795 (14.1%) だそうなのでARR=1.4, NNT=71

あとオープンラベルなので、明らかにハードなアウトカムの死亡のみを見てみると、
2-wayで477 (8.4%) vs 554 (9.8%) RRR=21% (7–34), ARR=1.4, NNT=71
あれ?死亡のARRが一緒だから、心筋梗塞や脳卒中の発生率は変わらないの??


どう考えればよいのか分からないけれど、
心筋梗塞既往で3.5年で1031名(9.1%)がなくなるようなハイリスク群では、
死亡率が減っているから、効果が期待できるのかな?



もう一方のJELIS
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Lancet. 2007 Mar 31;369(9567):1090-8.

P 総コレステロール 6.5 mmol/L以上(LDL 4.4mmol/L以上)の75歳以下の成人
I  スタチン(プラバスタチン、シンバスタチン)とEPA(1.8g/日)の併用
C スタチン単独
O 冠動脈イベント
  (心突然死、心筋梗塞、不安定狭心症、血管形成術、ステント術、冠動脈バイパス術)

18645名を5年追跡したオープンラベルのランダム化比較試験

<割付>
1ブロック4名の置換ブロック法。冠動脈疾患の有無で層別化
<マスキング>
オープンラベル。PROBE法(評価者のみブラインド)
<解析>
ITTで解析
α=0.05, power=80%で1次アウトカムの25%減少を検出
脱落率は8.5%と9.5%

<outcome>
冠動脈イベント
 EPA併用 262/9326 (2.8%)
 スタチン単独 324/9316 (3.5%)
 ハザード比 0.81 (0.69–0.95)
全死亡
 EPA併用 286/9326 (3.1%)
 スタチン単独 265/9316 (2.8%)
 ハザード比 1.09 (0.92–1.28)
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JELISでは、対象患者がGISSIと異なり
6ヶ月以内に心血管障害や脳血管障害のあった人は除外している。

1次アウトカムの冠動脈イベントでは、有意差あり。
ただ、オープンラベルでDrの判断が関わる手術がアウトカムに含まれるのは、
バイアスが大きくなるので微妙。
全死亡では差なし。

全体的に少しEPA併用群の方が良さそうな傾向はあるような気もしないでもないから、
どう判断したらよいのかな?予防的な効果を見ているらしいけれど??

スタチン単独よりもEPAを併用したほうが中性脂肪は下がるみたい。




合わせて考えると、
循環器のDrがハイリスクな患者さんに出すような場合はメリットがあるのかも。

でも、MRさんが説明をしていたDrは消化器なんだよなぁ。。

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