2015年3月3日火曜日

ベンゾジアゼピン系抗不安薬の力価と半減期の比較


先日、地元基幹病院の薬薬連携の勉強会で
精神科のDrが、エチゾラムは依存が形成されやすいという話をしていた。

頓服、寝れないときなら良いけれど、
肩こりで1日3回飲んでいるような人はなかなか止められない。
エチゾラムは飲むと効いた感じと効果の切れる感じが自分でも分かるようなので、
患者さん自身が希望してリピーターになり、止めにくいと。

作用強度が強く(力価が高く)、半減期が短いものほど
依存が形成されやすいというのはよく聞く話なので
エチゾラムが他の薬と比べてどの程度か比較しようと思い調べてみた。


半減期は、インタビューフォームにほぼ載っていた。
 
作用強度については、GABAA受容体に対するIC50で比較しようと思ったら、
どのインタビューフォームにも載っていない。
IC50は調べるのが大変そうなので、ジアゼパム換算というのを参考にした。

ジアゼパム換算
 →ジアゼパム5mgと等価な各ベンゾジアゼピン化合物の用量。
   ベンゾジアゼピン化合物の用量をジアゼパムの用量に変換することで
   どのくらい服用しているか?が分かり易くなる。


<海外>
NHSのベンゾジアゼピンの等価量表
ベンゾジアゼピン離脱のためのアシュトンマニュアルを出しているところの等価量表
国内で使用されている物と使われている化合物が違うので、網羅できない。。
 
<国内>
一般社団法人 日本精神科評価尺度研究会
が2014年版の向精神薬等価換算を出しているらしいけれど、会員じゃないので見れない。。
ネット上に落ちていた2006年版というのを使ってみた。


 
 
↓まとめた表
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

↓グラフ化してみた
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
↓半減期24hr、等価量2.5mg以下くらいが、ゴシャっとして見づらいので軸を対数表示に
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
↓商品名の方が分かり易い?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


左下が高力値・短半減期、右上が低力値・長半減期。
左下に近いものの方が、依存が形成されやすいとされる。
(参考にした資料の数値が正しければ)エチゾラムはなかなかの左下ぐあい。


最寄のDrに相談してみるとしたら、
肩こりとか日中の慢性的なものに処方するような場合は
エチゾラムに代えてセルシン2mgでいかがでしょう?とかかなぁ。
処方日数制限も90日だし。鎮痙薬としても使われてるし。


ベンゾジアゼピン(チエノジアゼピンも)はよく処方されるだけに、難しいかなぁ。
相談するなら、短時間型と長時間型で転倒リスクが異なるか?を調べてみよう。
 
 
 

2 件のコメント:

  1. ベンゾジアゼピンの力価と半減期の関係を興味深く拝見しました。もう少し詳しく教えていただけませんか?光良 cross.mituyoshi@gmai.com

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  2. アドレスミスがありました。cross.mituyoshi@gmail.com

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