2014年5月9日金曜日

高血圧ガイドラインをチラ見(NICE)

今月末の社内の勉強会に向けた予習、その3。

イギリスの公的医療サービスを提供しているNHSの機関のNICE(National Institute for Health and Clinical Excellence:国立医療技術評価機構)の2011年の高血圧のガイドライン


Hypertension (CG127) : clinical management of primary hypertension in adults
http://guidance.nice.org.uk/CG127


<定義>
Stage 1
診察時の血圧が140/90mmHg以上で、
24時間自由行動下血圧(ABPM)または家庭血圧(HBPM)の平均値が135/85mmHg以上

Stage 2
診察時の血圧が160/100mmHg以上で、
24時間自由行動下血圧(ABPM)または家庭血圧(HBPM)の平均値が150/95mmHg以上

重症高血圧
診察時の収縮期血圧が180mmHg以上、または拡張期血圧が110mmHg以上

stage2以上は無条件に治療開始
stage1は、臓器傷害、心血管障害、腎疾患、糖尿病、心血管リスクが10年で20%以上の人は治療


<降圧目標>

・80歳未満の人は、診察時血圧で140/90mmHg未満
・80歳以上の人は、診察時血圧で150/90mmHg未満

・白衣高血圧が疑われる人は、補助的に
 ABPMまたはHBPMで80歳未満は135/85mmHg未満、80歳以上は145/85mmHg未満


<Step1 treatment>

・55歳未満の場合、ACEIもしくは、低価格のARBが第一選択として推奨。
 咳などでACEIが使用できない場合は、低価格のARB
・ARBとACEIは、併用しないほうが望ましい

・55歳以上の人と黒人(アフリカやカリブが起源の人)は、CCB(Caチャネル阻害薬)を推奨
 CCBが浮腫、過敏症などで使用が不適切な場合や心不全やそのリスクがある人には、
 チアジド系利尿薬を推奨

・β阻害薬は高血圧の初期治療としては推奨されない
 しかし、若い人では考慮しても良いかもしれない。
 ARBやACEIが使えない人、出産の可能性のある人、交感神経が亢進している人など


<Step2 treatment>

・Step1の治療で上手く血圧がコントロールできない場合は、
 CCBをARBやACEIと組み合わせて使用することを推奨。

・Step2の治療としてCCBが不適当(浮腫や過敏症などで)な場合や心不全やそのリスクがある人
 に対しては、チアジド系利尿薬を推奨

・黒人(アフリカやカリブが起源の人)の人に対しては、
 CCBと組み合わせて使用する場合、ACEIよりも優先してARBを検討したほうがよい。
 

<Step3 treatment>
・Step3の治療をする前に、step2の治療薬の用量が最適または最良かどうか確認する

・3剤併用療法を行う場合は、ARBもしくはACEI + CCB + チアジド系利尿薬を推奨


<Step4 treatment>

・3剤併用療法を行っても140/90mmHgを達成できない場合は、
 4剤目の追加や専門家への助言を求める

・治療抵抗性高血圧に対するStep4
  ・血清K濃度が4.5mmol/L未満の場合は、スピロノラクトン(25mg X1)を追加して
   さらなる利尿を促すことを検討
   高K血症のリスクがあるため、eGFRが低下しているような患者には注意が必要
  ・血清K濃度が4.5mmol/L以上の場合は、チアジド系利尿薬の追加を検討
  →利尿剤を追加する場合は1ヶ月Na,K,腎機能に注意を払い、必要に応じて検査継続

・利尿薬の追加が、禁忌や無効な場合はαもしくはβ阻害薬を検討


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糖尿病の患者、18歳未満、妊婦などはガイドラインの対象外と記載があり。
家庭血圧をみるのはJSHと同じ。
だいたい薬の推奨も同じような感じ。

高齢者の定義がJSHは75歳、JAMAは60歳、NICEは80歳と異なるのはなんでだろ?
高齢者は150/90mmHgの管理でよいというのは共通なのに。

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